ステキな生活はステキな住まいから。どうもスムハジメです。
今回は趣向を変えて、水害が懸念されることの多い名古屋駅周辺の浸水対策について
執筆を行っていきたいと思います。
今回の記事を元に低地(堀川より西側)でも不動産検討をしていただける方が増えたら幸いです。
なぜ浸水対策を記事にしたのか
まず、この記事を執筆しようと思ったきっかけは、現在の本業で東京と名古屋、
2拠点で仕事をしていると地域差による考え方の違いやそもそもの地域特性の違いなどを如実に感じながらお客様と接してきました。
肌感覚ではありますが、例えば関東で住宅を探されている方の自然災害への懸念としては
東日本大震災や、熊本地震などの経験から
水災よりかは液状化を懸念される傾向がありますが
東海ではまるで逆で東海豪雨の名残があり、
液状化よりも圧倒的に水災への抵抗や懸念がある方が多く感じます。
ですので、今回は名古屋の方に向けて住まい選びを行う際に少しでも安心材料となるような
浸水、治水対策としてどういったものが行政の方で行われているのかにフォーカスを当てて執筆させていただきます。
まず初めに名古屋市内の標高差をご覧ください。
今回の話のメインはこの青いところ。
つまり堀川(庄内川)より西側がメインのお話となります。
現時点では再開発の進捗を含め過去から遡ってみてもパワーバランスとして名古屋駅よりも栄方面が賑わっていると感じられる方が多いのではないでしょうか。
※名古屋駅周辺の再開発はコロナで一度ほとんどが白紙に近い状態になってしまいましたね。。
名古屋駅には今後さまざまな再開発が控えておりますが、その再開発の予定をもっても、イマイチ盛り上がりきらない…是非住まいを探して住んでみたい!とならない…その理由の一つに水災懸念というのがあるのではないかと個人的には考えております。
その水災懸念を払拭するために現在名古屋市では「水防災意識社会再構築ビジョンに基づく名古屋都心域豪雨対策推進プラン」を国土交通省の「100mm/h安心プラン」に登録し、以降以下の大きく4つの浸水対策を進めております。
- 名駅雨水調整池
- 名駅南雨水調整池
- 名古屋中央雨水調整池
- 広川ポンプ所
これで絶対大丈夫ですね!とまでは言えませんが、検討を進めていただくにあたり安心材料にしていただけますと幸いです。
まずこの浸水対策が行われるきっかけとなったのが、東海豪雨とリニアの誘致です。もともとこの堀川より西側の地は低地で水災の懸念があり、当初より水災対策が必要ではありましたが、本格的に始動したのはこの2つの理由が大きいです。
行政も下水の計画レベルを超える降雨量(原則1時間60ミリ)があっても問題が無いように都市機能の集積する地域を対象に「貯水管の新設」や「排水ポンプの増強」といった「緊急雨水整備基本計画」を打ち出しました。
東海豪雨とは
一応、東海豪雨をご存じない方のために、東海豪雨の詳細を記載しておきますが、
東海豪雨とは、2000年9月に東海地域で起きた集中豪雨のことです。
当時名古屋市では当日の降水量が、平年の9月の月降水量の2倍となる428ミリとなり、2日間の合計降水量が567ミリに達しました。愛知県東海市では11日の午後7時までの1時間に114mm、日降水量492mmを記録した記録的な豪雨・自然災害です。
当時は東海地方で10人が死亡し、全国では115人が重軽傷を負ったとのことです。
また、床上浸水は185戸、床下浸水は2677戸とこちらの数字をご覧いただくだけでもとても、考えられないくらいの規模の災害だったと感じていただけるのではないでしょうか。
当時の写真をご覧いただくとお分かりいただけますが、このくらい名古屋市の低地全域が浸水被害にあっておりました。そんな、自然災害です。
名駅(南)雨水調整池
とはいえ、恐怖心だけあおっても仕方ありませんので、水災対策について一つづつご紹介していきます。
そもそも「調整池」とは簡単に申し上げますと、東海豪雨のような非常に強い大雨の時に河川の氾濫を防ぐために一時的に雨水を逃がし、貯めておくための池のことです。
まず先に挙げました
- 名駅雨水調整池 貯留量7,700㎥
- 名駅南雨水調整池 貯留量18,300㎥
ですが、こちらはそれぞれ2004年と2012年に既に工事が完了し、稼働が始まっております。
稼働が始まってからは浸水被害は今日まで報告されていないとのことです。
これだけでも少し安心になってきましたね。
名古屋中央雨水調整池
続いて名古屋中央雨水調整池です。
名駅雨水調整池はリニアの地下30mよりも遥かに深い地下50mの場所に位置しております。
イメージ図ですが、以下のような感じです。
この地下50mの位置に直径約6mのトンネルのような調整池がなんと5000mに渡り設置されます。貯水量は約104,000㎥となっております。オリンピックの競技用プール(25m×50m×2m)約42個分に相当しますので、なかなかゲリラ豪雨などの一時的な降雨量だけでオリンピックの競技用プールを40個も埋めつくすことはできないのでは無いかと考えております。
こういった名古屋中央雨水調整池ですが、今年の6月に全長5000mに及ぶ掘削工事が完了しました。
現在は掘り進めてきた機械等の撤去を進めている段階ですので、おおむね完了したと思っていいのではないでしょうか。
一応稼働は2024年と2年後が予定されておりますので2年後名古屋駅周辺の開発も本格化して水災懸念が少なくなってくる前に不動産購入に動き出すのは割とアリではないかと個人的には考えております。
広川ポンプ所
最後に広川ポンプ所です。
広川ポンプ所は名古屋中央雨水調整池よりさらに深く地下約65mに位置する「大深度ポンプ所」です。サイズとしては地下の部分だけで名古屋城と同等のサイズで地上も含めると名古屋城よりも遥かに大きい施設です。
排水能力もお墨付きで、毎秒13㎥です。
ちなみに、この毎秒13㎥の排水能力がどのくらいかと言いますと先程も例に挙げさせていただきました「オリンピックの競泳用プール(25m×50m×2m)の1杯分の水量を3分強で排水」という驚異的な排水能力を誇ります。
この広川ポンプ所ですが、現在は地下の工事は全て完了しまして現在は地上部分を建設している状況です。当初2022年稼働予定としておりましたが、少し工事は遅れているようです。
ですが、現在の進捗状況ですと遅くとも2023年度中には稼働開始されるのではないかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
名古屋駅周辺は自然災害に強い街作りが現在進んでおります。名古屋駅周辺の再開発とともに栄駅から名古屋駅へ東京や大阪から名古屋へトレンドの中心地へと変貌を遂げていくのではないでしょうか。
そのための地盤作りが今まさに行われていると個人的には考えております。
今回の再開発ラッシュに栄駅周辺で不動産購入の波に乗り遅れてしまって不安な方、失敗してしまったなと感じている方、是非この機会に環境は変わりますが名古屋駅周辺でのお住まい探しというのも御検討されてみてください。
今回も最後までご愛読いただきましてありがとうございました。
スムハジメではこれからお住まい探しされる方へお住まい選びのご相談を無料で承っております。本業があるのである程度時間の制約はございますが、完全に無料でお住まい選びのご相談に第三者の目線で乗らせていただきます。
これから家探しをされる上で、心配やご不安がある方は是非一度ご相談フォームからお問い合わせください。
当然個人情報も出しませんし、業者ともつながっておりませんので安心してご相談ください。
みなさまからのご相談お待ちしております。
改めまして本日も最後まで、本ブログを閲覧いただきありがとうございました。